家族全員寝坊して、11時近くに起きた。長期休み、ご飯の段取りを考えるのが本当にめんどくさい。毎日3食を、複数の家族のために作る人を尊敬する。
朝昼兼用でご飯どうする?と聴いたら息子がMrs.GREENAPPLEのグッズのフライパンを持ってきた。半年以上前に買って、一度も使ってない。ホットケーキを焼かされる。
小さいフライパンですき間が無いためひっくり返しにくい。1枚目はぐだぐだになった。2枚目は慎重に焼き過ぎて焦げた。息子がゲラゲラ笑う。じゃあアンタが作ってみろよと言いながら、3枚目にやっとロゴマークが入ったホットケーキができた。
午後から、ゆる夫と息子は阿倍野に出かけると言う。私は戦争物のアニメ『ペリリュー』の予約を昨日のうちにしていたので、梅田に出る予定。娘にどっちについて行く?家にいてもいいけど?と聴いたら「オカアチャンの隣の席が空いてたら映画観る」と言うので、一緒に行くことに。
出かける前に夕食の買い物を済ませにスーパーに行く。ご飯のことばかり考えている。
娘に重い映画だよ、とは伝えていたけれど、本当に重かった。「米兵に殺されるのは仕方ない、でも日本人同士なのに、言葉が通じるのに、対話しないで殺し合うのが納得いかない」娘の感想に、ホンマにそうやなと思う。
ただ、大人として組織にいるとわかる面もある。上司部下の関係、信じているものが違う、または立場として信じたふりを崩せない場合もある。集団心理も加わって判断力を失うと、同じことをしてしまうかもしれないと寒気がする。
映画に描かれる理不尽の連続を、二度と体験しなくて済むように。戦後が81年目も90年目も永遠に続くように。みんな観た方がいい。映画館を出て、急に平和な街の景色が違って見える。
祖父が陸軍で満州に行った話を、何度もしてくれた。少しは戦争が身近だったが、子ども世代にはすでにフィクションだ。原作をすぐに買った。マンガと映画で史実を伝えてくれたクリエイターの人々に感謝する。
港区も戦後70年の時に、記録動画を当時の職員が作ってくれている。語れる人が少なくなる中、貴重な記録だ。区域の88.6%が空爆で焼失し、人口が死亡や流出で9割も減った。
映画で描かれた爆撃で吹っ飛ぶ身体、焦げて転がる遺体の数々、家族を、友を目の前で失った絶望。これが全て、今の平和なまちで実際に起きたこと。忘れないよう伝え続ける義務が、行政や教育にはある。
もう一つ忘れたくないことは、この映画は米軍の被害にもバランスを取ってはいたが、基本は「日本人視点」であること。エンドロールに並ぶ、韓国語や中国語の名前に複雑な思いもした。彼らはどんな想いでこの作品に関わったのだろうか。日本の軍部の愚かさも描かれている。
世界ではまだ、理不尽な戦争や内乱が繰り返されている。平和はそんなに簡単ではない。万博会場に集った多様な国を、強引にまとめていた大屋根リングが恋しくなった。
帰ってすぐに夕食をつくる。映画に飢えの描写があったので、大量のミンチをこねながら平和を実感する。単純だ。SNSで流行っていた酒蒸しハンバーグを作った。子どもたちも喜んでいる。
食べ終わって、映画のパンフレットを隅々まで読む。関わった人たちの真摯さに再び打たれる。朽ちていく遺体に対して生い茂っていく豊かな自然。時間経過や動植物の種類にも、細かいリサーチがなされていたそうだ。
そうしているうちに、金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』が始まった。この映画を観る前に摂津市役所に婚姻届を出しに行った相手と、コタツに入って最後まで観てしまった。子どもの「生きる力」と「居場所と持ち場」の話。昼に続きアニメーションの力を思い知る。
ご飯つくって食べて映画観ただけの1日になってしまった。平和だった。
あと87日。

