2026年2月8日(日)

7:30 起床

 戦後最短の準備期間の選挙、いよいよ投票・開票日。コンタクトはせず、メガネで通すことにした。

8:45 出勤

寒い。120デニールのタイツにパンツスーツで臨む。緩んでいた靴もギチギチだ。先日ひねった左足首はうっすら痛みが残っている。

 コンビニに寄ってきつねうどんと冷凍の参鶏湯と、ごほうびの先取りでプチエクレア(10個入り)を買う。審査会までやって決まった弁当はカロリー高そうで注文しなかったが、無意味にしてしまった。

9:30 投票所の視察(午前の部)

 選挙管理委員、総務課長と公用車で投票所を回る。三先小→八幡屋小→池島小→港晴小→築港小→田中小と回って区役所まで戻る。運動場に面した扉を開けておかなければならない体育館の寒さが半端ない。それでも、雪が舞う中を多くの方が投票に来てくれている。職員にも地域の方にも「朝早くから寒い中すみません」と頭を深く下げ続ける。

10:30 区長室で仕事をしながら待機

選挙一班と呼ばれる各課から集められたチームは男性陣がほぼ全員パーカー、もとい若い子風に言うなら「フーディ」を着て「おそ松さん」みたいだ。昨日、泊まったのがわかる。早く解放してあげたい。

 生野区の区長室から持ってきて、開けてなかった箱を整理する。私がInstagramを始めたら生野区のキャラクター「いくみん」と一緒に撮れるようにと広報担当が作ってくれた、持ち手つき人形が出てきた。懐かしい。ミャクミャクと撮影する。

12:15 昼休み

コンビニで買ったきつねうどんを温めて食べながら、書類をめくる。教育委員会には1年しかいなかったが「退職教員人材バンク事業」を他都市も調査して要綱つくって実現した際の書類が一式出てきた。今は別事業に吸収されたものの、小学校の教科担任制を推進する上では必要ちゃうかなと思う。

 部下も正式にはつけてもらえない首席指導主事だったが「居場所も持ち場も無い」場所でこれとプログラミング教育事業を自分で手足を動かして起ち上げた。記憶から消えかかっていた。

13:00 片づけをしながら待機

特に投票所で大きなトラブルは無いようだ。区長室の片づけを続ける。生野区時代の箱をもう一つ開ける。自ら提案を持ってくる職員が多く、広報や多文化共生・公民連携が一気に進んだ。その時の資料がいくつか出てきた。

途中で、副区長と打ち合わせをする。生野区時代の副区長と各課の課題進捗と市会や特別職から降ってくる業務を見落とさないための「課題管理表」の書式や運用ルールを作り、港区でも使っている。他の課がやっている取り組みも見えるし、そのまま引継ぎ資料になる。他の区長はTemasの機能で似たようなものを作っているそうだ。

 課題管理表を見ながら、新しい区長と私が同席でやるレクの内容を絞り込む。過去の経緯や想いがある事業は「なんで区長やのに知らんねん」と恥をかかせないよう、直接伝えたい。

 この「片づけ始める⇒懐かしいもの出てくる⇒思考が巡る⇒やりたい仕事を思いつく」ループでなかなか進まない。

 16:00 投票所の視察(午後の部)

再び選挙管理委員のお2人と総務課長と公用車に乗る。市岡小→南市岡小→波除小→弁天小→磯路小と回る。外は1℃と車に表示が出ている。車内はあったかいので、出て冷える⇔戻って暖まるを繰り返し「サウナみたいですね」「整ってしまうな」と選管委員のみなさんと笑う。

 各会場、講堂のドアの向きで寒さに差はあるが、底冷えするのは変わりない。頭を下げ続けた。暗くなると、一層冷えるだろう。鳥取の大山町では職員が雪で間に合わなかったそうだ。

 今日一日で、車で港区のあちこちを回った。不法投棄の起きている場所のごみ袋をチェックし、分譲住宅の売り出しの旗が区内まんべんなく立っているのに安心し、ネパール料理の店が増えているのに気づく。風が強く、投票所に連れてこられたポメラニアンが吹っ飛びそうなのを心配する。

 誰もが安心して暮らしたい。そのための投票行動。抱っこ紐に赤ちゃんを入れた投票者もちらほらいた。ゆる夫からは「ちゃんと行ったで」と小学校に出向いた娘の写真が送られてきた。ネットの世界だけなく、現実社会の当事者であってほしい。

 17:00 再び片づけを再開。

 机周りに切り替え、積まれている最近の書類を仕分ける。今のところ、悲鳴をあげるような「うっかり案件」は出てきていない。

18:05 夕食に出る。

総務課長が「今年は磯路小学校の投票所が会議室で、すぐに開票所の行動に投票箱が届いてしまうので、19時50分には出ましょう」と言う。ホンマや。慌てて食事に出ていく。

 冷凍庫の参鶏湯を解凍してもよかったけれど、「らくらく亭」の麻婆丼を久しぶりに食べた。辛いもので、体を温める。小学校の寒い講堂にいる職員を思うと、ただ待機しているのが後ろめたい。

18:50 区長室に戻る。

1時間ほど、せっかく家から持ってきた本を読む。『不安の時代』はゴツすぎて、不登校を特集した『INSECTS』をめくる。子どもと親の本音が刺さる。

 19:50 磯路小学校へ移動

 開票所になっている磯路小へ徒歩で移動。寒い。講堂の中に入ると、外の寒さとのギャップで少し暖かく感じた。今日はコートを着たまま作業してもいいと伝えて、とお願いする。ただし開票作業中はポケットに手は入れられない。不正を疑われるからだ。

20:00 投票箱を出迎える

 投票箱と鍵を持ってくる地域の方を入り口付近で迎え、お礼を伝える。11地域全部来たのを確かめて、選挙管理委員と副区長と所定の席に座る。

 21:00 開票作業開始。

  もうスマホも触れないし、何の作業も無いのでただ見ているだけの6時間が始まる。ガチャガチャと投票箱を開ける金属音、カサカサと票を仕分ける紙の音。作業が進むと、投票用紙計数機がダダダダダと大きな音を立て始めて急に血が通ったような感覚になる。

3:05 開票作業終了。

 1時頃に衆院選と国民審査が区切りを迎え、知事選と市長選の端数を丁寧に数えているからか、間が空いて眠気に襲われる。3時過ぎに終わり、立会人の方が帰った後にマイクを渡されて職員に向けて挨拶をする。

「前代未聞の短期の選挙事務、めちゃくちゃ寒い投票所運営に開票作業、とにかく本当にお疲れ様でした!明日仕事がある人は少しでも寝て!」

3:25 帰宅

タクシーに分乗して帰る。ゆる夫はコタツで寝落ちしてて、帰ったら起きた。お風呂に入り、どうしてもお腹が空いたのでパックご飯にふりかけをかけて選挙結果をテレビで見ながら食べた。

 5:00 寝る

 長い1日だった。2度とやりたくない。寒い投票所にいた職員は、もっと辛かったはず。全国の公務員の底力に感服するし、どんどん人件費削った上でこんな酷なことをやらせてたら、公務員離れも加速するだろう。

何度でも言うが、数時間後には出勤して役所を開ける。疲労と寝不足で、事故やミスが起きてもおかしくない。選挙の翌日は休みにする法律を作ってほしい。条例でもいい。「今までできていたからできる」じゃないねん。人が減ってる。変えられないもどかしさで、寝つけない。

 あと50日。

みなりん(港区のキャラクター)でも作ればよかった。