東京日帰りの疲れをひきずり、職場までたどり着く。すぐにオンライン会議が2つ。1つはウチらが騒がんかったら対応してくれへんかったよね?案件で、道筋がついてよかった。
もう1つは上から言われたんで整理してみました案件で、こういう見せるための仕事をいかに実務に引き寄せるかが腕の見せどころだろうけど、その手前で終わりがち。最後に仕掛けてみたい。
昼から波除小学校の研究授業を見に行く。テーマが「家族の防災ブックを作ろう」なので、防災担当が一緒に来てくれた。「災害が不安ですか」と事前学習でとったアンケートが壁に貼ってある。98%が不安だと答えていた。
子どもたちは調べたり友達の書いてることを見たりしながら、自分の防災ブックを仕上げていく。合間に大人たちがのぞいて言葉をかける。私もできるだけ褒める言葉を、かけ続けた。ネパールの児童はタブレットで日本語・英語・ネパール語を入力翻訳して情報を探し、書き写していた。
家族の携帯番号をみんな書いている。スマホに番号を覚えさせて、暗記どころか番号のメモすら持ち歩かない子どもがほとんどだ。いい取り組み。
区長としてコメントをと言われ、壁のアンケートを指差し「こんなに不安だった気持ちは、防災学習を通じて安心できるようになりましたか?」と聞くと、ほとんどの子が手を挙げた。
「みんなは約8万人いる港区の中で、防災ブック作成を通じてトップレベルに防災力が高まっている、家に帰って周りの人に教えてね」と本の構成や内容は区役所のツール作りに真似させてもらうね、と伝える。
宿題はブックを持って帰って、家族で防災会議をしてくること。宿題はそれだけ。担任の先生の言葉に、子どもたちが笑顔になった。
この子ども達が大きくなって防災意識の高い若者、そして親になる時間の流れのどこかで、南海トラフ巨大地震は起きると言われている。「1人も死なない防災」には、教育が欠かせない。区長として、ありがたい授業だった。
区役所に帰り、恒例の日程確認とレクが2つほど。24区万博の取り組みを、振り返りのために集約するそうだ。万博は1回きりのイベントで、この集約が何か次につながるわけではない。
「やった感」出すために照会かけるなら、「あなたの区の『万博レガシー』は何か、どんな形で区民に伝えているか、残そうとしているか」を聞いて、万博を打ち上げ花火で終わらせない働きかけをすればいいのに。
万博レガシーの話を誰もしてこないから、24区に働きかけて自主勉強会を開き各区のグッズを集めた。次年度の運営方針にも書き込んでもらった。港区の万博はこれからだ、と言い続けている。
仕事が終わり、堺筋本町に向かう。先週も行った「中も津屋 南船場店」で生野区長時代の職員で日本酒好きの仲間が、「送別会ちゃいますよ、壮行会ですよ」と会を開いてくれた。
管理職というわけでなく、役職関係なくフラットに日本酒好きを私が見つけて声をかけたり、区長室に来て「いい居酒屋あるから飲みましょう」と言ってくれたりした人たちがつながっている。
セルフで花邑や寒菊や飛露喜を注ぎ、美味しかったお酒を報告し、そんなら次それ飲むわと、たくさん飲んでたくさん思い出話や未来の話をした。
プレゼントに「究極の日本酒グラス」をもらって、泣きそうになった。人脈ゼロで区役所に入り、少しずつ仲間ができ、「これからも一緒に飲んでくださいよ」と言ってもらえる仲間が増えた。
またねと別れ、酔ってるせいもあり、イヤホンから流れてきた「春愁」に胸を押さえて堪える。
♪ 大嫌いだ 人が大嫌いだ
友達が大嫌いだ 本当は大好きだ ♪
大森元貴が高校の卒業式の翌日に作った歌は、拗れた大人にも痛い。
♪ あなたが生きてさえいれば それでいいや
わたしが生きてるなら それでいいや
それがいいや ♪
「で」を「が」に一文字変えるだけで、意志がこもる。「生きてさえいれば」うれしい人たちがたくさんいる、それでいい。それが、いい。
帰って「ばけばけ」を見る。拗らせの果てに諦めた錦織さんの横顔にただ生きていてほしいと願い、日記は書けずに寝た。
あと45日。

