2026年3月2日(月)

 少し早めに区長室に入り、港中学校と築港中学校の交流授業で実施するプレゼン大会の賞品を準備する。

 20人分を袋詰めにするのに、出勤してきた副区長を呼び込んで作業していたら係長が助けに来てくれて、何とか用意できた。港区制100周年の啓発物品と、ちょっとした文具のセットで中学生が喜んでくれればと思って準備した。

ガサガサやりながら、9時に来客があると思い込んで焦っていたら9時半だったので気が抜ける。決裁やメールの処理をして、到着を待った。

 来客対応が終わり、築港客船ターミナルに向かう。すでに生徒は到着しており、プレゼン大会が始まった。私が1から企画を立ち上げた、キャリア教育と総合的探求授業と、3年生の時に再編して同じ学校になる生徒の交流授業を兼ねている。

 数か月前に大阪観光局・大阪港湾局の方にゲストティーチャーとして、仕事の話や大阪の観光、インバウンド、クルーズ船の誘致や乗客のニーズなどを教えてもらい、区長として「クルーズ船の乗客が大阪港で降りて、京都やミナミに行かず『港区で楽しむツアー』を作ってください」とお願いした。各校でのツアーを考える授業にも、局の担当の方が入ってくださった。

 プレゼンは各グループ3分で、Canvaを使って見やすく音楽や動きもつけて作っていた。2つの中学校がお互いの発表を聞き、1つとして同じツアーは無く、多様な視点があって大人も驚かされた。「中央線に乗って移動する時の、大阪港~朝潮橋の景色(運河を越えるあたり)が撮影スポット」と言われ、確かに地下鉄なのに高い位置を走っていることに気づく。

 築港中の生徒からは地元の和菓子屋を、港中学校からはパン屋を推され、お互いの校区に関心を持つ機会にもなった。何より、港区のことを観光客の視点で再発見してくれたことが、区長として嬉しい。

 どの発表にも光るものがあったが、観光局賞、港湾局賞、区長特別賞を選んで渡した。築港中のグループが「プロポーズ大作戦」というコースを組んでおり、すべて徒歩で築港エリアを巡って海遊館の横にある人魚の像でプロポーズをするというもの。

 教師も一緒になったプロポーズ寸劇が会場を沸かせていたが、それより「プロポーズの場になれば、一生の思い出の場所として年を取っても来たくなる」という、観光スポットを「生涯の記念の場」にしてしまう考え方にやられた。あと、「全部徒歩なのは手をつなぎたいから」という可愛い理由にも参った。

 生野区でやっていた「次世代の職業体験」の港区版を、やっとできた。企画書を書いてから1年以上、実現に動いてくれた職員や局・学校のみなさんにも感謝する。ツアーはこれから、多言語のチラシにして実際にクルーズ船の乗客に配る予定だ。

 ひと仕事終えた心地よさで区役所に戻り、カップ麺に野菜ジュースで不健康さを中和した食事を摂る。

課長会、2週間に一度なのにやたら早くないか。各課の報告を聞き、共有すべきことを伝え、最後に職員向けの区長室だよりでも書いたけど「やってるのに届かない」のはもったいないから執念を持って伝えてほしいと強くお願いした。

 少し間があり4日の防災ミーティングの資料を手直しする。「おもてなし防災」の事例紹介と新たなプロジェクトの紹介をすることになっている。土曜日の視覚障害者団体の講演と質疑内容も、必要な先に共有した。

 選挙管理委員会が間にあり、調整仕事をあれこれやって、終業してすぐに外に出る。雨。駅に急いでいたら、たまに朝に会っていつも私の服装や広報紙の連載を褒めてくれる年配男性に会って、「てるてるさん、3月までなの残念やわ」と声をかけられる。

 今年度最後の広報紙が配られ、お別れの挨拶を書いた「てるてるだより」を読んだとのこと。「次はどこに?優秀だから市役所の方じゃないの?」と聞かれ、「大阪市とはもう仕事しないんです、民間に戻ります」と答える。惜しいわ、せっかく港区に来てくれたのにと握手を求められ、雨の中で握り返した。

 書いたことしか、伝わらない。もちろん読む人も多くはない。それでも、自分の言葉で綴り続け、語り続け、執念を持って届けてきたことが少しは報われた気がする。

「まだ1ヶ月ありますんで、頑張ります!」と握った手は雨で濡れても、湿っぽくならないよう元気にお別れする。心が少し温かくなり、遅れそうになったのでペースを上げて歩いた。

 今日は何年もいろんな会議で顔を合わせていた西成区の地域代表の方と、ずっと仲良くしてもらっている今の西成区長と、歴代の西成区関係者の集まる会にゲストで呼んでいただいた。

 カラオケ居酒屋が並ぶ商店街を歩き、貸切のお店に着く。美味しい料理とお酒をいただき、西成のまちの変化や治安の改善などの話や児童福祉の話をして、24区名ビンゴで盛り上がる。これ、面白かったのでどこかでやろう。

 3時間半も飲み、少しふらっとしながら再び商店街を歩く。店の中から女の子とお客が声を合わせて熱唱する「栄光の架け橋」が漏れてくる。

♪ いくつもの 日々を越えて 辿り着いた 今がある だからこそ 迷わずに進めばいい♪

 当たり前のことしか言うてへんし、迷いまくりだけどなと酔った頭で思う。

 コンビニでアイスをお土産に買い、ぬるい展開続きの「ばけばけ」にイラっとし、娘が友達にしてもらった可愛いネイルと、息子の返ってきた学年末テストを褒めてから、お風呂に入って酔いを醒ます。

 明日の午前中にお願いしますと言われた書類を書き終えたら、1時半。そこから人材登録会社の面接に備えて、書類を読み直して寝た。

あと30日。

港区を入れてくれていたけれど、当たらなかった