2026年3月8日(日)

 二度寝してしまい、飛び起きる。ゆる夫に送ってと頼んでいたのに、朝風呂に入っている。彼なりに間に合う勝算があるらしいので、慌てて着替えて化粧をする。こんな時、化粧さえこの世に無ければ、とコンシーラーを塗り込みながら恨む。粉と眉毛とリップだけで済まなくなって、10年は経った。

 車の中でXをチェックすると、昨日投稿した万博会場のテーブルとイスをもう買ったというリプライがあった。万博、愛されてるなぁ。テーブルも欲しくなってしまった。

 「港近隣センター演芸大会」の看板を記録用に撮り、会場に入る。カラオケ機材の担当者が遅れてるらしく、押して始まったので挨拶は短めに。来賓の上田会長が「河内おとこ節」を歌い、その後にマイクを持つ。

今日歌うのは「故郷に続く道よ、私を連れていって」という曲で、みなと通りと中央大通りは私にとって心のカントリーロードという気持ちで歌います、と説明しておく。

 寝起きのせいか昨日ミセスを歌って痛めたせいか、不安定な高音を笑顔でごまかして歌い切り「みなさんお元気で!また帰ってきます!」と手を振って会場を出た。

 こうして一つひとつ、別れを重ねていく。できるだけ明るく、前向きな印象を残すよう努めている。「解放感にあふれている」と嫌味を言う人もいるが、まちの未来に希望を感じられる振る舞いをするのも、区長の仕事だと思っているだけだ。

 先日の校長先生たちとの送別会で、「校長先生は『学校の太陽』ですから、まずは健康に気をつけて元気でいてください」と最後の挨拶で言ったら、糸井先生に「よっ、『港区の太陽』!」と返されて笑ってしまった。

 発信することも含めて、私を嫌っている人がいるのはわかっている。その人にとっては、太陽どころか目障りな暗雲でしかないだろう。それでも、たくさんの人が集まるところでは、できるだけ場を照らしたい。

エネルギーを出す分、家では休んでチャージするはずが「やるべきこと」に追われる。家に大量にあるアナログゲームを、池島小学校に持っていく約束をしていた。私が企画提案した空き教室のアップサイクル事業で、こどもたちと壁や机を塗ってリラックスできる部屋を作っている。

こんまりメソッドにしたがい、全部のゲームを一度出して、まだやる物とあげる物に仕分ける。「ナンジャモンジャ」はもう卒業だが、「ねことねずみの大レース」は置いておく方に残っていた。13歳と18歳、まだオカアチャンと遊んでくれるんだろうか。

 木製のドミノや言葉遊びのゲームを箱に詰めて、持っていく暇はもう無いので送る段取りをした。

 やっと休めるとコタツに入り、1週間遅れで「豊臣兄弟!」を観て仲野太賀の慟哭にもらい泣きし、さらに消耗してしまった。赤い目をごまかし、自転車で浪速区民センターに出かける。

「こどもカーニバル」に浪速区PTA協議会からミルクせんべいと卵せんべいとジュースのブースを出しているので、割り当ての手伝いに行く。区Pの帽子とTシャツを身につけ、流れ作業に加わる。

 ゴム手袋がゆるくて、卵せんべいを入れる紙袋をうまく開けない。モタモタして作業を止めてしまい、焦る。

手袋を変えて、慣れてきた。周りの女性たちと連携して作業を進める。少し間が空くと、学校や子どもの話も出る。PTAの活動、どこまで共働きの休日をつぶしてやるべきかは悩ましい。横のつながりができる楽しさはやってみないとわからないし、コミュニケーションが苦手な人もいる。私も仕事だからスイッチ入れてるだけで、初対面の人の集まりは苦手だ。

忙しくなってくるとホッとする。卵せんべいをひたすら袋に入れ、手渡す。1時間ほどで完売した。

 片づけに入り、寒い中で冷たい水で道具を洗ってくれる女性について、トレーや目玉焼きリングをタオルで拭く。タオルが湿ってくると、なお冷たい。一通り終えて、ジュースと隣のブースの焼きそばをもらって帰った。

 帰ってすぐコタツに入り、かじかんだ指で娘のパソコンを注文する作業を始める。30万近いクリエイター仕様のパソコン、なかなかカード決裁ができない。老眼と動きにくい指で苦戦している私の横で、当の娘は1日パジャマで推し活のグッズを作っている。

 疲労とイラつきがリミットを超え、「あなたの大学の準備を、忙しい私がしている。お金もかかっている。それって当たり前なの?ありがとうも言わないの?」と娘を責めてしまった。

「ダルいな」の感情が乗った「ありがと」が雑に返ってきて、「バイトしてパソコン代返して」と突き放した。大学の準備も全くしていない。入学式に行くのもやめようかと思ってしまう。私は一人だった。

 モヤモヤする気持ちを、風呂で流して切り替える。娘の欠点でもあり美質でもあるのは、引きずらないことだ。夕食はいつも通り、テレビにツッコミを入れながら姉弟でゲラゲラ笑っている。何年も「叱られても平気で甘えてくる」こどもたちが理解できなかったが、それは私の過去のせい。彼らの方がずっと健やかだ。

 月曜日からまた夜が会議と送別会で詰まっている。4合ビンを開けると飲みきれず悪くなるので、冷蔵庫を漁って2022年製のカップ酒を発掘した。鬼太郎ラベルの「千代むすび」。冷たいと刺すような後味、お燗にすると丸くなる。私もあっためたら、優しくなれるだろうか。

 半合飲んで、仕事の本を読んで、明日の空き時間にやるタスクを自分に送って寝た。

 あと23日。

まだ遊んでないゲームの一つ。下の句ヤバくない?