2026年3月5日(木)

それほど予定が詰まっていなかったので、娘の大学で使うパソコンの注文をしなければならないのもあり、2時間休みを取る。

 毎晩、YouTubeを見てニヤニヤしているゆる夫に頼みたいところだが、家のWi-Fiもつなげない彼に正しい買い物ができるとは思えない。大学の特別販売は2月25日で申し込み期限が過ぎていた。今からでも間に合うかの問い合わせメールを送る。

 弁天町の決めかけていた物件に申込書を送ったら、タッチの差で別の人に決まったと知らされてショックを受ける。「同じビルの3階なら空きがある」とデータが来た。広さはほぼ同じで1万円安い。「今日の夜なら内見できます」と言われ、近くで懇親会があるので15分抜けて行きます、と返事をする。

11時に、港区コミュニティ協会の幹事会に出る。案内が来てなくて、前日に言われた。席に着き、スマホに携帯キーボードを接続してメールを書いていたら、港区の連合会長の上田さんに「ええもん持ってるな」とのぞき込まれる。パソコンとPomeraと携帯キーボード+スマホと、移動中のフリック入力で日々の膨大な量の文章を書いている。すき間時間は逃さない。

 会の前にはキーボードを閉じて、資料をめくる。挨拶を振られ、え、まぁあるやろうけどと即興で挨拶をする。腰を据えて参加するつもりでいたら、「区長はここで公務のために退席されます」と司会に言われ、「え、こ、公務?……あーはい、あります!すみません、失礼します」と頭を下げまくりながら外に出る。

 早く追い出されたので、ついでに港図書館に寄る。区長2年目の時に新設の土地区画整理記念交流会館に移転して、図書館好きにはめちゃ幸せ。

 中には土地区画整理事業の記念スペースもある。区制100周年で図書館がやってくれた「思い出残しプロジェクト」で集めた11地域の思い出が、ファイルになって置いてあった。ぱらぱらめくり、またゆっくり来ようと思った。関わったまちの記憶は、愛おしい。

図書館の職員が私を見つけて声をかけてくれ、情報交換をした。「本の福袋」という企画で、誰かがメッセージを入れた袋に入った本を借りて、読んだ人が感想を書き、また新たな本を紹介するという交流を教えてもらった。本を通じて世代を超えたメッセージのやりとりをしている。素敵。

 予定が狂って時間が空いて、だから図書館に立ち寄れて嬉しい情報に会える。よかった。

 区役所に行き間にレクを入れながら、教育行政連絡会議の資料の準備をする。区長(区担当教育次長)と区内の校長が意見交換をする会で、私にとっては現場の先生たちと教育の話を思いっきりできる貴重な場。

民間人校長となって13年間、ミッションとして掲げた「経済格差を教育格差にしない」ために何をやってきて、残っている課題は何かをまとめて用意した。

 校長になった最初の月に、職員会議で配った通信物も出てきたので資料につける。民間からわざわざ来て、私の存在は何の意味とミッションがあったのか。3年間を共にした教頭、今は磯路小校長の糸井先生もいるので振り返るにはちょうどいい。

 校長として、区長として、区長会のこども・教育部会長として。特に児童福祉と教育をつないで児童虐待や生活課題を早めに見つけ、つなぐ仕組みづくりには寄与したと思う。外国につながる児童生徒の支援、キャリア教育のネットワーク作りなどやれたことを総括し、新たな課題としてスマホトラブルや教員不足を挙げた。

「経済格差を教育格差にしない」は永遠に課題ではあるけれど、早期発見・早期支援や大阪市の塾代・習い事助成や学校支援に予算を投じて来たことで救われた子はいる。学校も教育委員会も、区役所も知った上で、確信している。

私の話を受けて、糸井先生が私との思い出をみなさんに話してくれた。「13年前に小学校で出迎え、そして港区でお見送りするご縁、一生の上司です」とまとめてくれる。校長と教頭、指導主事と校長、保護者と校長、区長と校長と、ご縁が続いた13年だった。

そして相変わらず話が長くて、私に「糸井先生、13年分しゃべりそうやから、この辺で!」と切られていて、それもいつもの関係性で懐かしい。職員会議で私の前に話し過ぎて、時間がなくなる。それを見越して、私は毎月職員向けの通信物を書いて「もう終業時間なので、これ読んどいてください!」と配って想いを伝えていた。

 そのまま懇親会に移り、「SAKESTAND ROKUGO」さんの地酒を含む飲み放題で乾杯する。最初に私だけサービスで「寒菊 Red Daiamonndo」を入れてもらい酔いが回ったころに「ちょっと出てきます!」と不動産屋と落ち合って、物件を見せてもらった。

 

 前の方が気に入っていたけれど、水回りが整っていてコストも浮くし、悪くない。酔った頭で判断していいのかよぎったものの、本の収容場所を3月半ばには確保しないと行けないので、申し込んだ。

15分でわりと大きな判断をして、懇親会に戻る。あたごの松や紀土を飲み、飲み放題に入っていない「三芳菊 ワイルドサイド」をキャッシュオンで飲んで、満足する。

 まさに今の私にちょうどいい。王道の無難な転職なんかもういらん、ワイルドサイドな2度目の起業を楽しもうと景気をつける。

 ひたすら先生達と教育の今とこれからの話をして、お互いの奮闘をいたわり合い、いろんな先生とLINEを交換した。最後に花を贈ってもらい、ああ、教育をやりに私は大阪市に来たんだと心から思えて、泣きそうだった。

 泣きそう、じゃなくて。

 駅から自宅への帰り道、花を抱えながら泣いた。

 

 帰ると、娘がまだ帰ってこない。どこにいるかもわからない。やっと22時前に「新幹線~」と、のんきなLINEが来た。0時前に帰ってきた顔を見届けて、安心する。

 寝る前のメールチェックで、パソコンの業者から「もう締め切ったので別で買ってくれ」というシビアな連絡にダメージを受ける。同スペックのパソコンを探してるうちに、寝落ちした。

あと27日。

 

福袋の偶然で本に出会い、また本をおすすめする。いいなぁ。